なぜデータエンジニアを目指すのか?
医療データ活用の限界に課題を感じた
私がこれまで働いていた病院では、患者さんよりも電子カルテと向き合っている時間の方が長くなってしまうことが少なくありませんでした。
その多くは診療報酬算定のための記録作業であり、点数漏れを防ぎ病院の収益を守ることが目的となっています。
しかし一方で、「データの利活用が、現場の負担軽減や患者さんへの直接的な還元につながっているか?」という問いには、正直に言って首をかしげる部分がありました。
むしろ、データ取得のために追記項目が増え、現場はさらに疲弊していく——そんな悪循環さえ感じています。
厚生労働省も医療DXを掲げ、データ利活用を推進していますが、看護の現場における「実務負担を軽減するためのデータ活用」はまだまだ道半ばです。
私は看護師として医療現場で働いた経験を活かし、現場が本当に役立つデータ活用を実現するための土台づくりを担いたいと考えるようになりました。
そこで出会ったのが、データの収集・整形・蓄積を担う「データエンジニア」という職種です。
課題解決に直結する仕事をもとめて
病院には毎日たくさんの患者さんが訪れます。退院させても、すぐに新たな入院がある——その繰り返しに、私はどこか限界を感じていました。
今後ますます進む高齢社会の中で、「未病(病気になる前の段階)」のケアや予防支援の重要性が高まっていきます。
沖縄県南城市の「南城市慢性腎臓病重症化予防事業」のように、健診データから透析導入のハイリスク患者を抽出して「治療計画案」をかかりつけ医に提案するなどの、未病の段階でのサポートはとても有意義です。
しかし、各自治体や地域医療がその全てを担うには限界があり、実際には業務委託や外部支援に頼っているケースも少なくありません。
その中で、個人の健康データや地域の健康状態を把握・分析し、施策に反映するには、データエンジニアやデータサイエンティストの専門性が不可欠です。
私は病院の中だけでなく、地域全体や社会構造レベルの課題解決にも関われるエンジニアになりたいと強く感じるようになりました。
データから意思決定を支援する役割に魅力を感じた
もともと私はデータやPCが好きで、院内でもシステム環境整備の一部を任されていた経験があります。
データを整理し、規則性や法則を見つけ、検証していくプロセスにやりがいを感じるタイプです。
また、医療情報技師の資格も取得し、インフラやシステムにも一定の理解があるため、「現場の困りごとを、データやITの力で解決する」という視点が自然と育ちました。
看護師という職業は、患者さんに直接ケアを提供する役割ですが、私は「環境や仕組みを整えることで、間接的に多くの人を支援する」ことに大きな価値を感じています。
そのため、データを通じて意思決定を支援し、現場や社会の課題解決に貢献するデータエンジニア・サイエンティストの業務に、強く惹かれています。
データエンジニアとはどんな職種か?
データの収集・変換・蓄積・可視化を担う
膨大なデータを分析するためにデータの整理や管理を行ったり、複雑で大規模なデータが活用できるよう情報基盤の構築や運用を行う。
情報化が進展した今日、膨大なデータ(ビッグデータ)が蓄積され、利用・活用されるようになっている。また、AI(人工知能)も様々な場面で応用が進んでいるが、その実用化のためには大量のデータが必要となる。このような膨大なデータのエキスパートと言えるエンジニアである。
データエンジニアの具体的な業務としては以下の3つがある。
第一に、データはそのままでは利用できないことが多く、欠損しているデータを補ったり、データの重複を整理したり、表記の揺れ(サーバーとサーバ、西暦と和暦、年齢区分、centerとcentre等々)などを統一する作業であり、分析できるようツールを使いデータを整理、加工する業務である(データの前処理)。また、このデータの整理、加工のためにプログラムを作成することもある。
第二に、データを収集し、蓄積し、利用できるような情報基盤を設計し、構築する業務である。具体的には、IoTなどにより集まってくる膨大なデータからデータベースを作成し、データサイエンティストやデータを分析する人が必要な形で取り出せるよう、情報インフラを開発する業務である。近年では、膨大なデータを廉価に効率的に格納し、利用するためにクラウドサービスを利用することが多い。この場合、データエンジニアはクラウド上にデータを蓄積し、利用する情報システムをクラウド上で開発、運用する。データをグラフ等で見やすく視覚化することもある。データサイエンティストの仕事と重なるが、データをビジネスにどう活かすかを検討することもある。
第三に、AI(人工知能)開発における「教師データ」の作成がある。AIに学習させるためには「教師データ」が必要であり、そのデータを作成する。データを整理し、データを整える業務である。このデータ整理のためにプログラムを作成することもある。AIを運用しその結果から、教師データを作り直すこともある。
よくある誤解(分析ではなく「整える」仕事)
データエンジニアに似た職業にデータサイエンティストがある。データサイエンティストがデータを分析し、新たな商品やサービスを生み出したり、業務プロセスを革新する知見を引き出すのに対し、データエンジニアはこのためのデータの収集、整理、管理、そして情報基盤の構築や運用を行う。
システムエンジニアやデータサイエンティストとの違い
データエンジニアとは呼ばれていなかったが、システムエンジニアの中にはデータの収集と整理に関する開発、また、データを活用するための情報基盤の構築と運用を行う人も居り、この人達もデータエンジニアと同じような仕事をしていたといえる。そして、データエンジニアの中で分析に特化し、専門性を高めていきデータサイエンティストとなったり、機械学習に特化しAIエンジニアになっていく人もいる。データエンジニアとシステムエンジニア、データサイエンティスト、AIエンジニアの関係はこのように整理することができる。
今後の需要:DX、ビッグデータ、生成AI時代でますます重要
今日、産業、社会の広範なデジタル化、IoT(モノのインターネット)、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、データ活用が益々、拡大している。AI開発に伴う仕事も多くなっている。一方、専門的な知識、高度なスキルを有する人材は不足しており、仕事には事欠かない状況が続くと考えられる。
タスク(職業に含まれる細かな仕事)

引用:厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag データエンジニア
特に実施順1-8のタスクに関してはほとんどが実施率90%を超えているため、そのスキルの習得が必要であると考えられる。
具体的には以下の通りである。
・データの背景となる業務知識を習得、データの加工、整理の方法について検討
・欠損データの補完、重複データの整理、表記の揺れを統一
・データを加工するプログラムを作成
・情報基盤の検討
どんなキャリアを描いていきたいか?
まずは「データ基盤の構築スキル」を身につけたい
未経験からシステムエンジニアとしてスタートするにあたり、まずはETLやDWH構築を通じて、データを整える基盤づくりのスキルを習得したいと考えています。
具体的には、データの収集・加工・保存といった工程を実践的に学び、業務の中で「使えるデータ」に仕上げる力を身につけていきたいです。
将来的には「データサイエンティスト」へ発展したい
データエンジニアとして基盤構築スキルを磨いた先には、そのデータを活用して分析や意思決定支援まで行うデータサイエンティストへの発展を目指しています。
単にデータを扱うだけではなく、「そのデータから何が言えるのか?」「どんな施策につなげるべきか?」といった思考力・分析力も高めていきたいです。
「コンサル+実装」を兼ね備えた支援ができる人材に
私は、単にシステムを作るだけでなく、クライアントの課題を理解し、改善案を提案するコンサルティング力にも強く興味があります。
実装だけで終わるのではなく、データに基づいた課題分析と、それに応じた施策提案まで担えるエンジニアを目指していきたいと考えています。
今後の学習計画(5週間の目標)
・1ヶ月でポートフォリオを完成させることを目標とします。
・「データ収集 → 整形 → 保存 → 可視化 → 解釈」までの一連の流れを自分の手で実践し、実務を想定したスキルを習得していきます。
・学んだ内容は 毎日ブログに記録し、振り返りと改善を重ねながら成長の過程を可視化していきます。
未経験ではありますが、経験と視点を活かしながら、確かな技術を身につけ、
データエンジニアとして現場・社会の課題解決に貢献していきます!

データエンジニアの大まかなイメージがつきました!